ひとり税理士本人+αが語る実態と楽しむポイント『改訂版 ひとり税理士の仕事術』

「ひとり税理士」という言葉を、2015年に書いた『ひとり税理士の仕事術』で世に出しました。
あれから11年、『改訂版 ひとり税理士の仕事術』を出すにあたって、ひとり税理士について本人が語ってみます。
※2015年の前版と2026年の改訂版 by Leica M EV1+35mmF2

なぜ、ひとり税理士なのか

私が提唱し続けている『ひとり税理士』とは、
「あえてひとりを選び、独立後の生き方を楽しむ」
というものです。

今でも税理士として独立すると、人を雇って拡大して大量の仕事をするというのがセオリー。
そうではなく、ひとりをあえて選ぶ生き方です。
私自身もそうしていますし、『ひとり税理士の仕事術』の出版以降、同様に、あえてひとりを選んでいる方も増えています。
それでも少数派ですけどね。

その意味で、この記事のタイトルを「ひとり税理士本人+α」としました。

誰でも人を雇う適性があるわけでもなく、そうしたいわけではありません。
私も「経営」、現場を離れて、スタッフに任せることにも興味ないのです。
売上拡大、規模の拡大も望みません。
だからひとりを選んでいます。

拡大しても、人が足りなく、人が定着せず、ときに文句も言われ、急に辞めたりして……ということもありえます。
もちろん、ひとりは楽ではありません。
悠々自適と言われることもありますけどね。

その一方で、決定が速く(自分さえ決められれば)、すべてのお客様を担当できますし、スタッフに気を使わなくても済みます。
採用関係の仕事も一切しなくていいのです。
その分の時間やお金を自分・家族・お客様のために使えます。

もちろん、デメリットもあり、それぞれ対処しなければいけません。

ひとり税理士のデメリットと対処

デメリットといっても、それは周り(ひとり税理士ではない人、会社)がそう感じているだけで、当の本人たちにとってはデメリットでないものも多いです。
(これは逆もしかりで、人が辞めていき定着しないのもデメリットじゃないかもしれませんね)

これらも含めて、デメリット(らしきもの)と対処について書いてみました。

・できる仕事量に限界がある、すぐに限界が来る→これは、組織でも一緒かと。組織で仕事の限界が来ていることも多いです。ひとりだと仕事を得ることと仕事をすることが一致しているのでむしろ、その判断はしやすいもの。
仕事を増やしすぎないようにする、仕事を増やす欲を断つ、仕事が少なくていい値付けをすることが欠かせません。
AIやITで仕事の一部を効率化はできます。ただ、仕事とは、人と人とのもの。お客様という人、自分という人が絡んでいるのです。効率化できないところはありますし、それが仕事の醍醐味です。

仕事が一時期に集中する、繁忙期になるというのは、どちらでもありえます。組織だから適度な仕事で、時間とお金のバランスがとれているわけではないですから。

・人手が足りなくなる→許容量以上に仕事を受けるから人手が足りなくなるのです。それをコントロールすべきなのはどちらでも同じこと。人手がいる仕事は効率化するなり、受けなければいいのです。

・大きな仕事ができない→大きな仕事、ひとりではできない仕事ができないというのは、別に興味ありません。
「大きな仕事」が価値ではありませんからね。
売上は、別の方法でも立てることができます。

・リスクがある→いざというときに、ひとりだとどうする?という話は組織でも同様です。資格がないとできない税理士業で、100人雇っていても、その税理士に万が一のことがあったら……。どっちもどっちだと思っています。もちろん、備えつつ。

・仲間がいない、寂しい→ひとりが好きな人、人が集まるのが嫌というタイプの方も多いです。ひとりでもひとり同士つながりはありますからね。そして何よりもお客様とつながっています。望むお客様なら気も合いますし、いろんな話もできますからね。

・わからないときどうする?→これも組織であっても同じ問題があります。ひとりしかわからない、上司に聞いても意味がないということはありますからね。わからないものがあったら、調べ、調べても意味がないときは、決めればいい話です。

・売上が停滞する→「売上を増やさなければいけない」という法律はありません。別に売上が減ってもいいし、増えなくてもいいのです。それが失格、失敗ということはありません。いいじゃないですか、望む仕事、望むお客様で、それなりの売上、そして時間があれば。
売上が多くても、利益がない、時間がないということはよくあります。そうならないようにしたいものです。
人の価値は売上ではありませんし、規模でもありません。お客様がそう望んでいれば別かもしれませんが。

じゃあ、ひとり税理士を楽しむなら、どうすればいいかについて書いてみました。

ひとり税理士を楽しむポイント

ここで大事なのは「楽しむ」ということ。
「成功」という言葉は好きではなく、使いません。
前述したように、売上を増やし続ける、人を増やし続ける、おしゃれなオフィスというのが世の標準。
それを満たすことが「成功」なのかどうか。

他人から(特に規模の大きいところ)失敗と見られても、自分が選び、楽しんでいればいいんじゃないかと。
その楽しむために何が必要か。

専門特化、高付加価値と言われたりしますが、そこに限りません。
巨大なところも含めて他にない強みを持っていれば、ひとりでも楽しめます。
楽しむには、時間とお金が必要。
その両方を得るためにも、値付けの工夫、時間・お金管理、決断が欠かせません。
個=自分を鍛え続け、練度を上げていきましょう。

どっちみちできる仕事に限りはあります。
仕事を厳選しても問題ありません。
そのためにも自力で営業できるようにしておきましょう。
私がなぜこのブログをはじめとする営業を欠かしていないのか。
それは時間とお金を得て楽しむためです。

その楽しみを邪魔する多数派にも気をつけなければいけません。
拡大することが常識、拡大することを喜ぶ圧力に負けないようにしましょう。
周辺の保険会社、不動産会社、銀行、会計ソフト会社、税務ソフト会社などは、そりゃこちらが拡大すれば喜びますからね。
対する方々は、ひとりで体と魂を張っているわけではありません。
気にしないようにしましょう。
私は無駄な連絡・営業・提案、そして「担当することになりました」「ご挨拶」などといったものを一切断っています。

そして、同業との距離感も大事です。
・ひとりなんて情けない
・まだひとり?
・ダメだよそんなのじゃ?という意見もありますからね。
「こっちに来ない?ひとりじゃ大変でしょ?こっちの水は甘いよ」という誘いにも気をつけましょう。

システム利用料、紹介手数料、ホームページ、しがらみなど、お金が出ていくことにも気をつけなければいけません。
せっかくの利益が飛んでいってしまいます。
無駄にお金が出ていくと、必要な売上も増え、仕事量も増えてしまうのです。

投資するならば己に。
そうすれば、お客様により貢献できるようになりますし、強みを磨くこともできます。

せっかくの時間を、大量の仕事や、しがらみで費やすことも避けましょう。
人に任せる、人を増やすということはできないのですから。
その一方で、お金は増やしてもいいのです。
時間あたりの利益、時間をかけない売上も考えましょう。
そうすれば、ひとりのデメリットを補い、ひとりのスピード、自由度、楽しさをより活かせます。

今回の話は、ひとりで仕事をする方、したい方すべてに共通することです。
少数派同士、楽しみましょう。



■編集後記
昨日は、高輪ゲートウェイで税務顧問のお客様と打ち合わせ、その後、汐留で編集者さんと打ち合わせ。
新刊を受け取りました。

1日1新Kindle『1日1新』  動画『1日1新セミナー』
田町から高輪ゲートウェイまで徒歩
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■娘(9歳)日記→Kindle『娘日記』・ Kindle『娘日記Ⅱ』
最近、フルーツは桃、なし、みかんが好きです。
昨日も桃となしを。
その他、シャインマスカット、メロンなど。
なんか高めのものが多いような……。
ただ、ケーキやお菓子、外食と比べるといいかなとは思っています。